私は子供の頃から肉が大好きでした。食糧難の時代に生まれましたので、牛肉などめったに食べられませんでしたが、それだけにこれだけ食が豊富な時代になった今でも牛肉イコール贅沢品とのイメージが拭えません。安い輸入物の肉でもなんでもいいので、とにかく肉が食卓に出てくると嬉しくなってしまいます。ところが私の妻は生まれつきの肉嫌いときています。私にしてみれば、肉が嫌いな人間などいること自体信じられないのですが、独特の臭みが嫌だと言います。ただどんな肉も嫌というわけではなく、要するに脂身が嫌いなようです。赤身の部分は食べます。牛肉や豚肉ならヘレの部位、鶏肉ならササミです。妻曰く鶏肉は一番クセがないそうで、カリカリに揚げたから揚げや、よく焼いた照り焼きも大丈夫です。

蒸し鶏や、茶碗蒸に入っている鶏肉は食べません。とにかくそんなわけで、我家の食卓に牛肉が出てくることはめったにありません。昔一度だけ妻に、もっと肉が食べたいと言ったことがあります。それからは思い出したように時々肉料理を出してくれるようになりました。しぐれ煮や牛丼、生姜焼きに肉じゃがなど、妻は食べられないメニューが食卓に並ぶようになりました。その日は妻とは別メニューで、妻は自分の好きな刺身や明太子を買ってきます。ところで妻は肉の臭みが嫌いということで、臭みのない肉、つまり高級な肉は食べます。いくら高級でもサーロインステーキのように脂身が固まりすぎているのは食べませんが、霜降りのしゃぶしゃぶ用薄切り肉でもグラム千円以上するような高級品は美味しいと言って食べます。贅沢なだけだと言ってしまえばそれまでですが、そんなふうに育ってしまったのですから仕方がありません。

そんな妻が時々牛肉の通販で取り寄せるステーキ肉があります。全国的に有名なブランド牛の通販です。妻は毎年私の誕生日になるとステーキをご馳走してくれます。私に美味しいものを食べさせたいというよりも、自分自身が食べたいのでしょう。しかしやはり外食は高くつきます。高級肉のステーキを二人でいただくとなると、2万円以上は覚悟しなければなりません。その点牛肉の通販ならその半分以下の値段で美味しい肉が食べられます。あるときその事に気付いたようで、最近は誕生日やクリスマス、結婚記念日などのイベント日でも通販で取り寄せたステーキを家で食べるのが定番になっています。移動が車なので外食だとどちらか一人は飲めないというのもネックです。外食は雰囲気が楽しめるので好きですが、妻もだんだんステーキの焼き方が上手くなってきて、味は外で食べる肉に遜色はありません。予算が半分で済むのなら、私としても大賛成です。